竹生神社

延喜二十二年(922)二月初午日、山城国賀茂神社の祭神 建津身命の子孫竹生氏が当杉山村の旧名、賀茂郷麻野里(自大化五年~至延喜二十二年)を竹生郷椙山村(自延喜二十二年~寛治七年)と改め竹生郷司に来任するに当たり、賀茂神社を豊栄字神 田七十八番地に勧請して郷内の産土神社とした。国内神名帳に従 五位上竹生天神と登載されている。元亀四年(1573)正月 七日、野田戦乱の際、武田信玄の兵火に罹り本殿建物神宝什具・ 的射場および神林等烏有に帰した。天正二年(1574)六月に再建成就する。

竹生神社の祭神は当初、近江国竹生島神社を勧請したもので、 市杵島姫命以下二神の多紀理比売命・多岐都比売命であると勘え て竹生島より勧請して竹生大明神と称した。現在、この豊栄山村 の元宮祭りにはお祭り青年達が「琵琶湖連」と記名された法被を 着て祭礼を行っているのもその名残であろう。

社名も明治二年に「竹生神社」と復称し、同五年村社となった。 こうして、天正以来祭神を近江国竹生島神社の市杵島姫命以下二 神を祀ったものと勘えていたが、山城国賀茂神社祭神の内の一神 建津身命であるという神託によって、これを別山社として大正五年十二月三十日、熊野天神社境内末社に遷座する。同神社を大正 五年十二月三十日、熊野天神社に合併し本社号を称す。