願養寺

白雉2年（674年）4月、鎮護国家・厄難消滅・北陸路守護のため天武天皇の勅願のもと清徳王によって創建された。清徳王は中国から伝来した仏像と紺紙金泥の経巻を奉持して定恵の教えを受け、法相宗を学んで清徳院釈了論と改名した。寺には海蔵院根尾寺と名づけられた。
延暦24年（887年）、3世・了円は最澄が唐より帰ったことを知り、円仁らとともに比叡山へ登って天台宗の教えを受けて寺に戻った。このとき法相宗から天台宗へと改宗された。この了円を1世とし、8世の了転までの約460年が天台宗であった。
1240年、浄土真宗をひらいた親鸞の孫で誠照寺を創建した如覚上人が三河へ教化のため下向する際、寺に泊まった。このとき教化によって9世・了善師は松葉氏などの檀家らとともに浄土真宗に帰依して、寺を改宗した。このときから了善を1世とする。
元弘3年には本願の「願」、如覚上人の「如」から清徳山海蔵院願如寺と改めた。
応長元年、如覚上人が没すると願養寺と改められた。
20世・清徳暁照和尚は「真清探当証」という文書の解説を郷土史家・小林一葉氏に依頼し、淡墨桜が継体天皇の手植えによるものと判明するきっかけを作った。また越波地区が交通上不便なことや布教の必要性などから、昭和44年（1969年）には岐阜市長森に別院をつくり、8年後には清徳会館を増設した。さらにその5年後には岐阜市野一色に白龍観音堂を建立した。
現住職は了善から数えて20代、第21世・清徳来照氏。