安養寺

明応年間（1492年頃）に尾州熱田神宮の大宮司・某の三男であった岩佐藤蔵善国が、聞名寺の末寺・照蓮寺にて得度を受けて釋善教と改名し、飛騨高山に善国寺（現　・勝久寺）を創建した。
享禄2年（1529年）、濃州方県郡下土居村（現在地）に来た善教の子・善永によって、念仏道場が創建された。善永は道場に、善国寺より持参した蓮如聖人真筆六字名号一幅と七高僧画像という宝物を安置した。
天正2年（1574年）3月27日、善永の子・永明が本山に画像下賜を願い出ると、本末の吟味のうえで顕如上人より聞名寺末寺濃州方県郡土居郷願主永明として許された。このとき寺号を安養坊定めた。
寛文3年（1633年）、永明を開基（いわゆる開山）と定めた。4世（善永から数えて5代目）となる永順は安養寺という寺号を本山から賜った。
安政元年（1854年）、13世至誠のとき、本堂裏堂より出火して本堂が全焼した。この火災によって本尊をはじめとする過去帳・宝物・寺史等の一切を焼失した。翌年、至誠は本山に対して親鸞聖人・聖徳太子・七高僧御影の再下附を申請したところ許され、現在も安置されているものが下賜された。
昭和六年（1931年）、15世・行順が黒野御坊より古鐘楼を譲り受け、移築した。古鐘楼は、安土桃山時代に建築されたものと言われている。こののち年代は不明だが、山門が建てられた。
平成3年（1991年）4月、17世・恵雲の発願によって本堂及び会館の新築が計画された。しかし、完成前の平成5年12月28日に恵雲は没した。平成六年末、18世・宣章のときに現本堂並びに会館が竣工された。翌年4月16日、本堂落慶並びに18世・宣章の住職継職法要が行われた。
平成29年12月26日、18世・宣章が没した。
平成30年12月、老朽化が著しかった納骨堂の増改築が行われた。 翌年10月26日に納骨堂の竣工式が執り行われた。
令和元年11月17日、現住職の19世・大宣の住職継職ならびに納骨堂増改築落慶、親鸞聖人七百五十回大遠忌法要が行われた。